最近、子どもとの向き合い方についてこんなDMをいただくことが増えました。
実は僕たち夫婦も、次男がダウン症で産まれ、不安で検索ばかりして、誰かと比べて… 目の前のわが子を、ちゃんと見られなくなっていた、そんな時期がありました。
しかし、ある言葉がきっかけで、比べるだけのつらい毎日から、「その子らしさ」に目を向けることができるようになり、子どもの育つ力をを信じ、毎日楽しく過ごせるようになりました。
この記事では、今、子育てがうまくいかなくて、
- 「子育てがつらい」
- 「自分がダメなんじゃないか」
- 「なんで子どもにイライラしちゃうの?」
そう思っている人にこそ見て欲しい。
あの頃の僕たちが知りたかった内容をまとめました。
親子で将来なんでも話し合えるような信頼関係を築く一歩に。
僕たちの過去の経験をもとに、そんなヒントをお届け出来たら良いなと思っています
Contents
ダウン症の可能性があります─告げられた日
僕は今、療育の現場で働きつつ、SNSでも子育ての発信をしていますが、ほんの数年前までは会社員。 朝から晩まで馬車馬のように働き、出張で家を空けることも多い、そんな毎日でした。
ですが、その生活が一変したのは、次男の誕生でした。
次男は「ダウン症」という生まれつきの特徴をもって僕ら夫婦のもとにやって来てくれました。
今思えば、ダウン症のある子を育てているからこそ気付けたことが山ほどあったんですが、当時、「お子さんに、ダウン症の可能性があります」と医師から告げられた時、 長男を育てていて、なんとなく描き始めていた「子どもってこう育つはず」が、一気にわからなくなったんです。
妻は、NICUにいる次男の姿を見ては泣いてばかりの毎日でした。
不安になって、ネットで検索しても、出てくるのは、できないことや不安な情報ばかり。
ホントに毎日泣いていたんです。今思うと、目の前のこの子ではなく、勝手にふくらんだ不安な未来像ばかりを見ていたんですよね。
そんなとき、僕がふと思って妻に聞いたんです。
その言葉にハッとしました。
小さな体で一生懸命呼吸している次男は、困ってなんかいなかった。
困っていたのは、未来を決めつけていた親である僕たちだったんです。
今、この子は頑張って生きてくれている。
この子の可能性は、これから無限にあるのに、親が勝手に未来を決めつける必要なんてどこにもない。

悲しんでいる暇があったら、もし将来この子が困った時のために、今から僕らが知識を付けて言ったら良いんじゃないか。
そしたら障害が障害じゃなくなって、「その子らしさ」に変わるんじゃないか。そう思いなおしたんです。
その会話から、妻の表情がようやく戻りはじめ、未来ではなく、今のこの子。に目を向けられるようになっていったんです。
3人の子どもを抱え学生になると決めた日
そんな思いから、思いきって飛躍して、ととパパ、人生最大の一大決心をしました。

もっと家族と向き合いたい、子どもたちの力になれる仕事がしたい。
そう思ったからです。 しかしその頃の我が家は…

- 3歳の長男、1歳の次男、生後2ヶ月の三男の5人家族。
- 日中は授業、夜間のバイトで養えるわけもなく貯金を切り崩す毎日…。
- 子育てもあって妻も思うように働けない
こんな状況です。笑
普通に考えたら、「ととパパよ。やめておけ」と思いますよね。笑
それでも妻は「やめて」とは一度も言ったことがなかったんです。
次男の出産後は看護師を退職していたため、三男と家で過ごしながらできることを探し、在宅で仕事をはじめました。
日常のすれ違いから、“父になる”日々へ
実際は、学生の夫、3人育児、ギリギリの家計、慣れない在宅ワーク。
本当に大変だったと思います。僕自身も勉強と家事と育児に追われ、余裕なんてものはなく、正直記憶がありません。笑
でも、ひとつだけぶれなかったのは──
という、夫婦共通の想いでした。
なんでもない毎日”が変えたもの
かつては子どもと顔を合わせる時間がほとんどなかった僕も、
学生になってからは、子どもと一緒に朝ごはんを食べて、「おかえり」と言い合える。
そんな、なんでもない毎日を初めて過ごして…。

って、やっとわかった気がしたんです。そして…
- 次男がハイハイした!
- 三男が笑った!
- 長男が自分からお手伝いしてくれた!
どちらか一人では余裕がなくて気づけなかった、そんな「小さなすごい」に夫婦で気づけるようになって、そんな子どもたちの成長が「子育てのご褒美」として実感できるようになったんです。
比べる育児ではなく、見つめる育児へ
とはいえ次男の発達は、わかっていたつもりでもゆっくりで。
って、集団の中に入ると心配になることもやっぱりたくさんありました。
だからこそ、必要だったのは、誰かが決めた基準ではなくて「この子がどう育ちたいか」を見つめることだったんです。
何ができないかを探すんじゃなくて、今日、どんな「できた」があったかを一緒に見つけて喜ぶこと。
比べて落ち込む日も、最初はたくさんあったけど、そんな時に思い出していたのは、産まれたときに夫婦で話した、「今、何か困っているかな?」という会話でした。
勝手に心配して困っていたのは、この時もまた僕たち親の方だったなと、この言葉を思い出すと初心に戻り、それが、いつの間にか僕たちの子育ての合言葉になっていきました。
そしてそれは、兄弟たちとの向き合い方にも自然とつながっていったんです。
あれから8年…
次男は今、8歳。

泣いていたらそっと抱きしめてくれたり、兄弟と一緒に元気にサッカーをしたり、料理も手伝ってくれる。急に大好きな恐竜になって家族をたっぷり笑わせてくれる、我が家になくてはならない、太陽のような存在です。
4人の子どもたちと過ごしてきて、確信したこと
子どもには、どんな子にも、自分で育つ力がある。
同じように育てても、性格も、得意なことも全然違う。
そんな子どもたちに、私たち親ができるのは、 その力を信じて、そっとそばにいること。
「全部ちゃんとやらなきゃ」じゃなくて、「親も一緒に育っていけばいい」んです。
そしてもうひとつ、大切なことは、
「子どもができたこと」だけじゃなくて、
「親である私たちが頑張ったこと」も、ちゃんと認めて褒めてあげること。
なんでも良いので、完璧じゃない日々を振り返って、ベッドの中で、
なんて、お互いに夫婦で認めあえること。
それが、親としての「自分らしさ」であり、家族の絆を深めることだったりもします。
そして、子どもと過ごす時間の積み重ねが、子どもとの信頼関係の土台になり、子どもは外の世界で安心して思いっきり楽しめる。
帰ってきたら「今日も最高だったよ」と教えてくれる。
テストで100点とることも、かけっこで一番になることももちろん素晴らしいことですが、それを一緒に心から喜べる、そんな親子でありたいなぁと切に思っています。
そんな、子どもたちと過ごす毎日のささいな時間が、
「完璧じゃない親としての自分」を育ててくれて、幸せな今がある。
それが、今の僕たちの実感です。
今日、1つでも良いのでやってみて
こんなことがあったんだ、こんなことを感じているんだと、新しい我が子を知るきっかけになるかもしれませんし、胸がちょっぴりぽかぽかするかもしれません。
その体験が家族の絆を深めるチャンスになるはずです。
次回は、話の中で出てきた、少しずつ変えていった働き方についてもお話できればと思っています。
「自分らしい働き方をどう選び取ったか」「どう家族の時間と向き合ってきたか」
子育てと仕事に悩んでいる方にも、きっとヒントになると思います。
ぜひ、お楽しみに!